Atelier Kumazのアートワーク

電動ルーターで「ヴェートリガーレ」という技法を用いてガラスアートを制作しているAtelier Kumazです。 新作や制作過程などを綴っていきます。  作品購入(ミンネ)はこちらから:https://minne.com/kumaz708

使用している技法、『【Vetrigare】ヴェートリガーレ』とは何かについて綴ってみる。

こんにちわ&はじめまして(●・(エ)・●)

 

昨日は一気にアクセスが増えて、色んな方々に見て貰えて感謝感激です。

少しでも『また見たいな』とか

『どんな作品を作るのか楽しみだな』なんて思ってもらえたなら嬉しいです。

 

今回の記事は作品の紹介ではなく、私が使用している『技法』の紹介です。

 

ミンネのプロフィールページでは簡単にですが

『Vetrigare(ヴェートリガーレ)』について触れていますが

 

 

『ヴェートリガーレってなんだ?』と思っていただいても、

『ヴェートリガーレ とは』で検索してもどういったものかわからないので

少し長くなりますが、今回はより明確にどういったものなのかについて綴りたいと思います。

 

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と、その前にまず『グラスリッツェン』というものについて少し説明します。

 

急にまた知らない単語がでてきた…と思う方もいらっしゃるかと思いますが、

いわゆるガラスに絵を彫る作品を呼ぶものとして

現在、一番よくつかわれている呼び方です。 

 

でも、グラスリッツェンと呼べない作品の方が多い!!

 

と思った方々も含めご安心ください。

今からその点についても触れていきます。

 

まず、私が使っている技法『ヴェートリガーレ』も、

よく知られている『グラスリッツェン』も 

大きな特徴としては『ダイヤモンドビットでガラスに絵を彫る』という技術の事です。

 

このダイヤモンドビットというのはようするに、

ダイヤモンドの粉末が先端についた針のようなものと認識いただければOKです。

 

わかりやすく言うと、いわゆるこういうのです↓

このようなものを電動ルーターに取り付けて彫っている…

のですが、グラスリッツェンというのは電動ルーターではなく

ペンタイプのホルダーに取り付けて彫っているものです。

 

手彫りでなおかつ電動のアシストも無いからこそ、

一彫り一彫りに時間がかかる分、繊細で美しい作品が出来上がると言われています。

 

ただ、それゆえに質が高ければ高いほど制作品数は限られてしまう等

様々な理由から、過去にも何度かこのガラス工芸は衰退し、

素晴らしいものであるからこそ、何度も復活を繰り返してきたという歴史があります。

 

そんな中、20世紀後半にスイスでメグロー夫人という方が

このガラス工芸を復活させ、近代工芸として発展させていきました。

 

『メグロー派 グラスリッツェン』などで検索すると

より詳細な歴史が知れるかと思いますが、

重要なのはこの『Glassritzen(グラスリッツェン)』というのが

元々スイス(ドイツ)語の『造語』であり、

そのメグロー夫人と一緒に制作を行っていた方々が

『自分たちの技法を呼ぶために使い始めた言葉』なんです。

 

それゆえに、機械やルーター等を利用したり

異なる技術でガラスに絵を彫る事

『Glass engraving(グラスエングレービング 直訳するとガラス彫刻)』

と呼んで区別されているのですが、あまりその事が一般的に浸透していない為、

ルーターで彫っているが『グラスリッツェン』と呼ばれている事も多々あります。

 

 

さて、ようやく本題です。

 

そんな中、私が使用している技法『Vetrigare(ヴェートリガーレ)』
グラスエングレービングの中で独自に使用している『造語』です。

 

特徴としては主に以下の2つの事があります

 

ダイヤモンドビットでガラスに彫る。
その際、基本的には電動ルーターを利用するが、

スイッチを切ってそのまま彫る事もある。

・漫画などで用いられる『カケアミ』の技術を応用してグラデーションを作る

 

それ以外にも細かい事やちょっとした事もありますが、

大まかに言ってしまえば上記2つの事が重要視されてます。

 

以前、漫画家を目指していた事があった際に習得した技術を応用して

グラスエングレービングにかけ合わせて使用しているのと、

グラスリッツェンの歴史を少し知っていたことから

『どちらとも少し異なるし、せっかくだから名前をつけてわかりやすくしよう』

と、思ったのがキッカケで造語を作りました。

 

 ちなみにカケアミとはこういう技術の事です↓ 

f:id:atelierkumaz:20160424114103j:plain

 

このように一定間隔で線を引いていき、

角度を変えて重ね合わせてグラデーションを作る技術です。

 

『カケアミ 技法』で画像検索をすると

 プロやデジタル素材などのより綺麗で繊細なわかりやすいものもありますので

 気になった方はよければぜひどうぞ↓

カケアミ 技法 - Google 検索

 

 

これにさらに(基本的には)点描のように細かい点の集合体で彫っています。

※点描→いわゆる点線のような、点の集合体と思っていただければOKです。

 

この『Vetrigare(ヴェートリガーレ)』という言葉はイタリア語の

『Vetro(ガラス)』『Rigare(線を引く、傷つける)』をかけ合わせて作っています。

 

というのも、このガラス工芸自体がイタリアのヴェネツィアンガラスに

レース模様を装飾する為にはじまったとされている技法であったので、

それであればイタリア語で造語を作ろうという考えに至ったからです。

 

 

かなり長くなってしまいましたが、

少しでもわかりやすく説明できていたらいいなぁと思っています。

 

独学故に、独自の技法を使用していますので

これからもドンドン色々な発見と閃きを大切にしていき

学んだ事を精一杯活かしていって

よりよい技術として仕上げていきたいと思います。

 

それではまた次回の記事で~(●・(エ)・●)